「メシア」

 

先日のNHKの番組でした。「メシア」それはバイオリン製作家ストラディバリが作った数百台のバイオリンの中で、彼が死ぬまで手放さなかった1台のバイオリンの名です。彼の製作したバイオリンのいくつかには名前がつけられ、愛称で区別されています。「メシア」は現在イギリス、オックスフォード大学の博物館で厳重に展示保管されています。

 

 番組のプロデューサーが、楽器商と楽器修復者であるその父と3人で「メシア」に会いに行くというのが今回のストーリーでした。彼らの旅はまずイタリアのクレモナにあるストラディバリの制作工房から始まります。本来「メシア」はこの地に保管されるのが相応しいのですが、楽器を作る時に使用した治具、工具類が残るだけで楽器自身はここに有りません。みなが羨望する「メシア」は300年の歴史の中で翻弄され今はイギリスの地に移っていました。

 

 ついに3人はオクスフォードの地で「メシア」と対面します。普段ストラディバリウスを扱っている著名な日本人関係者の切なる願いにも拘らず、「メシア」を手に取ることは許されません。イギリス王室の希望でもそれは許されませんでした。メシアはもう100年以上演奏されること無く、かたくなにガラス箱の中に鎮座しています。地球上の誰もその音色を聞いた者はいません。メシアはもう楽器の形をした神仏となりました。この楽器の謎や秘密は神話を作り、人はただ「メシア」の前で合掌するだけです。

 

 

 今手作りバイオリンの普及活動をしている私にとって、まあ別世界の話です。誰も触れてはいけないバイオリンは楽器だろうか?100年の間弾かれたことの無いバイオリンは楽器なのだろうか?常日頃、「将棋、剣玉、バイオリン」、と呼んで木の玩具として遊んでいる者が、もし「メシア」という仏像を左手に抱えたら大罰が当たるに違いない。(笑) 2024.09

 

 

薄い木

 

古くから木材を薄く割ったり、削いで使用する文化があります。例えば、家屋の屋根や壁材として、あるいは経木と呼ばれるように文字(お経)を書く紙の役割をしてきました。食品を包む竹の皮のように木も薄く削いで用いられてきましたが、プラスチックの普及により今ではほとんど使われなくなりました。建築の洋風化により住宅の内装あるいは家具の化粧材として薄い木材が沢山用いられるようになりました。化粧材の利用拡大と共に木材を薄くする技術も発展し、大根のかつら剥きに似た方法(ロータリーレース)、鰹節のようにスライスする方法(スライサー)も進化してきました。

 

木材は剥いたり、スライスされ 0.3mm0.6mm1mm 23mmの薄い板になります。かつて1cmという製材された板に近い厚い物もありました。見た目のきれいな楢材、チーク材、ウオールナット、ケヤキ材などは出来るだけ広い面積の板を得る為、限りなく板厚は薄くなりました。今床板にはなんと0.20.3mmの板が使われます。この厚さになると木が透けて、向こうの景色がみえるようになってきます。この厚さではもう機械加工、サンダー掛けもほぼ無理です。一般家具に化粧材を貼る場合は0.6 mm程度のちょっと厚い板を表面に用い仕上げ代を確保しています。

 

木の厚さが2mm以下になるとノコギリでなくカッターで切ることが出来ます。ノコギリは刃物の研ぎ(研磨)が必要ですが、カッターナイフなら容易に切れ味を保つことができます。カッターナイフの利点が有ります。カッターナイフは研がなくていいですね、ノコギリ刃の研ぎは普通の人には難しいです。またカッターナイフならガイドに沿って簡単にきれいに切れますね。私は3mmくらいの合板でもよくカッターナイフを使って切っています。薄い木材の加工はなんか紙の加工に似ています。カッターナイフの加工はDIY向きです。機械が要りません、切削の粉も出ません、騒音もしません。

 

 

最近薄い木に似た厚紙、板目用紙を使って色々試作しています。紙の世界も深いです。厚さ、硬さ、大きさ、構造と大変種類も多いです。例えばコピー用紙0.1mm ハガキ0.mm 板紙表紙0.6mm 菓子箱用紙2mmくらいまで厚さもいろいろあります。最初びっくりしたのは厚みが書かれてなくて300g/m2なんて書いてあります、私が知りたいのは厚みなのに、、、。紙の工作をして気づいたこと。ひとつはどの紙も同じ顔で面白味に欠けること、もうひとつ木は紙と違って、長さ方向と幅方向で全く強さや水分による膨張収縮が違うことです。(2024.08

 

弦と弧

 

先日の講座での出来事です。工程順を黒板に書いているとき、弦を張ることを張絃と黒板に書いてしまいました。そして直ぐに、アレ、張絃は張弦のはずと思い黒板拭きで消し、糸偏の弦に改めました。楽器の分類では管弦打楽器、音楽の分類では弦楽四重奏などと弓偏の弦を使っているのに、何故か糸偏を使ってしまったのです。

 

帰宅中、スマートホンで改めて絃の字を調べてみました。昔ある時期から弓偏の絃は、楽器に張るゲンとして区別して使われました。そして数十年前、字数を減らす目的で絃が当用漢字から外されてしまいました。同時に絃の字は弦の字に統一されました。管絃楽は管弦楽に書き換えられてしまいました。平成に入り、最近絃は人名用漢字に追加されまた使われるようになったそうです。何かスッキリしないですね。私にとっては弓の糸は弦、楽器の糸は絃のほうが分かりやすい感じがします。

 

弓の話のついでに。講座前半に側板を裏板の上に立てる作業をします。側板を曲げながら裏板に接着するものですから、ちょっと接着力が足らないとクランプを外した時に側板が元の形にもどろうとして跳ね上がってしまいます。当初、側板は両手で形をつくり、その形を手で保ったまま裏板に接着していました。以前木の反発力に負けて接着に失敗する人が多発しました。側板付けの工程は前半のヤマ場なのです。

 

 

側板は中央部から接着します。側板小を裏板に描かれたカーブに合わせクランプします。そのカーブを弧と呼ぶ場合が多かったのですが、いつも皆さんに伝わりにくい感じがしていました。弧って円の一部だけど、普段使う言葉ではないから理解してもらえないようです。弧って円の一部ですと、説明すると、、、、、、ますますややこしくなります。最近その裏板に書かれた弧を、弓型の曲線とか、カーブとか呼ぶようにしています。暑い今年の夏、パリの空には大きな円が5つ。

2024,07

 

 

ときどき木の言葉

 

日々の生活の中で、ときどき木が登場する言葉を聞いたり、思い出したりします。

 

『風に柳』 自分の考えをしっかり持ち、一途に生きてゆく人は立派です。ただ信条を頑固に維持する人は、反面周りに敵も作ってしまいます。枝葉を広げる立派な樹は、台風のような強力な風をもろに受け倒れてしまうことが有ります。枝がしなやかな柳は風の力に抗わず、風に身を任せ流れるように生きています。古くからある建築物の中は、強固な部材の結合を避けて、緩い縛りの構造によって地震等の揺れを吸収している物もあります。人間も社会で生きるとき、相手に合わせて柔軟に対応することも必要だと柳は教えているようです。

 

類似の言葉で『枝葉のしげりは実少し』があります。外見が立派で、多弁な人も実は意外と中身の無い、何も出来ない人ということもあります。ちょっと『実るほど首を垂れる稲穂かな』に似ていますね。

 

『猿も木から落ちる』 物作りの世界ではいつも失敗は起こります。『弘法も筆の誤り』と言いますね。私なんか年中木から落ち、誤った、拙い文字の連続です、、、、。これと反対の言葉があります、『弘法筆を選ばず』『良工は材を択ばず』です。これまで沢山のプロのバイオリニストが軽バイオリンを弾いてくれましたが、いつも感動し「音色は楽器じゃ無いのだ、音色の良し悪しは演奏者の腕(技術)なのだ!」と感じてきました。今私が作っているバイオリンはスプルース、メープルといった本格的な材料を使っていません。気軽なバイオリン(軽バイオリン)は近くに有るどんな材料からも作れます。

 

 

話は変りますが、これまで表板には桐の木を多く使ってきました。桐の名の付いた桐蔭高校の桐蔭には古い言い伝えがあります。桐の木陰で幼い鳥は飛び立つ力を付けるというのです。偶然今弾いているラルゴ オンブラ・マイ・フ これと同です、しっかり癒されます。同じ桐ですが私の年代には『桐一葉』というジーンと響く言葉があります。桐の葉がそっと落ちるのを見て秋が来たと実感したそうな、、、。人生には春が有り、夏が有り、そして秋がやってきて、そして冬が来る、、、ポロ!。

(2024.06

 

 

ホームラン音

 

「カーン」。ドジャーズ移籍後も大谷選手のホームラン音がテレビから響きます、あるときは3日連続。その音の軽く、そしてさわやかな独特の響きはなんと心地良いことか、言葉になりません。金属バットのホームランもいいが、木の音はやっぱり良い。

 

かつてバットは折れにくいヤチダモの木が主でしたが、資源事情や有名選手のホームラン実績からメープル、バーチ(カバ)も使われるようになってました。メープルはバイオリンの主な材料です、良い音を奏でます。野球以外にも、ボーリングのピン、羽子板、パーシモンのゴルフクラブヘッド、スポーツの世界でも木は心地良い打音を響かせています。

 

大谷選手と共にダルビッシュ、吉田、今永投手の活躍にも目を見張るものがあります。ボールの軌跡は絶妙でまるで芸術です。ピッチャーからバッターボックスまで約20m、ホームベースはほぼ幅50cm、ピッチャーの投球はこの幅はもちろん、更に玉の幅(直径10cm)くらい精細にコントロールされています。私達がバイオリンを弾くとき左手は指板上約20cmを精確?に行き来します。ホームベースの幅に相当するのは指板上で5mm、ボールの幅なら1mmの精度で指を置くことになります。こんな精度を維持して弦を押さえ続けることは、私には無理、無理、です。特に速い曲の場合、流れの中で音の高さ、指位置を判別することは神業です。

 

ピッチャーの投球がホームを通過する1センチメートル単位の位置でストライクあるいはボールが決まり、またバッターがバットの何処で打つかでホームランかファールか決まる。バイオリニストの瞬間、瞬間の指位置、1mmの違いで演奏が輝やきます。音楽でもスポーツでも、繰り返しの精度、速度の探求が大切、と思っているのですが、、、、、、、、、、、。

(2024.05) 

 

 

崖っぷち

 

千と千尋の「ふたたび」を弾いている時、すごい高音が出てきました。5線譜の上補助線の2本目のド、これに「8、、、、、、、」というオクターブ上げる表示が有るのです。普通の曲はネック根本のドそしてレ、ミくらいで終わるのにそこから更にオクターブ高い音ということになります。高音を出すのが難しいので普段は平気でオクターブ下げて弾いているのですが、最近“挑戦”ってことで、、、、、時々この高い音を出しています。

 

バイオリンは下補助線2本のソから始まってネック付け根から始まるドレミ程度まで、5線譜上の音をバランスよく出せる素晴らしい楽器だと思っています。いつかバイオリンの音の幅は3オクターブと6度、つまり1弦の3つ目のミまで出せると聞いたことがあります。実際には更に指板には少し余裕があり、悲鳴を上げながら指を顔に近づけると、とうとう指は指板から落ちてしまいます。 指板の“崖っぷち”です。

 

ネック根本のドからレ、ミ、ファ、3オクターブ目のソまでは左手を胴に当てかろうじて小指が届く程度ですが、更にラシド、、となるともう弦を押さえられません。左手はネック(首)から下がって「肩、上腕」を掴まえる様になります。弦を押さえる指の位置は駒にどんどん接近し、弦を押し付ける指に大きな負荷がかかります。指板と弦の距離を弦高といいます。普段はこの値が多少大きくても苦になりませんが、高い音を出すには低く調整する必要があります。

 

 

高音域では弦高の調整に加え、指の繊細な動きが必要になります。普通は指の幅が半音という目安ですが、オクターブ高い領域では指の半分が半音になってしまいます。私の指の動きでは音が飛びすぎて、急に赤ん坊の指が欲しくなってしまいます。高音に興味を持ちだしてから、気持ちよく弾けたことがありません。それでもゲーム感覚で悲鳴を出し続けています。

(2024.04)

 

 

インドネシアの木と名前

 

軽バイオリンの表板には、10年以上中国産桐を使ってきました。しかし5年くらい前、適材が入手困難になり今ではインドネシア桐を使用しています。“桐”と言っても、その呼び名は商用名で学名ではマメ科のAlbizzia属の1種になります。木材の呼び名は学名より商用名、地方名のほうが耳に馴染じみます。ジャックと豆の木は同じ豆科のCastanospernum属の木になります。打楽器マリンバにも同じ豆科ですが大変重い(比重が1.0を超す)木が使われています

 

私が木材の仕事を始めた頃、フィリピン、マレーシア、インドネシア等南方の木材が多く使われ出しました。特に南方材の70%を占めるフタバガキ科の木はフィリピン名“ラワン合板”として沢山使われてきました。今では、フィリピンよりマレーシア、インドネシアの木メランティが多く使われています。インドネシアではメランティを赤色系のものとそうでない物に分け前者をMeranti merah()、後者をMeranti putih()としています。ついでにHopia属の Njerakat hitam()もフタバガキ科です。

 

 インドネシア語で木材はKayu あるいはKajuです。日本では“カユクク”という材料のフローリングがありますね。木材名にカユの付く木が沢山あります。Kayu raja()Kayu machis()Kayu manis(甘い)、Kayu tulang()Kayu pinang(バナナ)Kayu laut()Kayu hitam()、、、、Kayu manisはクスノキ科CInnamomum属のシナモンのことです。何かうなずけますね。ほかにもDamar(樹脂)air()pulai()sungai()daging()angin(風)等も木の名になっています。

 

 

話がインドネシア語になってきました。ついでに、インドネシア語はほぼローマ字読です。オランウータンはorang(人間) hutan()です。ナシ(ご飯)ゴレン(炒める)、テレマカシー(ありがとう)、ブンガワン(大きい川)ソロー(地名)、“かわいいあの子”の歌詞ノーナマニサパヤンプーニャンラササーヤンサーヤンゲー。時々使う言葉の中にもネシア語が含まれています。木の名を聞く度、インドネシアの記憶が蘇ってきます。

(2024.03)

 

 

未踏の地

 

マイバイオリンの指板にはあまり指に触れない部分があります。そこは、私の顔から数センチしか離れていないとっても近い距離ですが、訪れたことの無い場所です。指板を上から見て下の方半分で、そのうち1番弦を除く部分が私にとって未踏の地なのです。高度な曲は弾きませんからこの部分に指で踏み込む機会はほぼ無いし、自己流で弾いていますから、その領域の音を出す方法や訓練もしたことがありません。

 

最も低いソの音から順次高い音に移ってゆくとき、左手の指板方向の動きを少なくする為高い音の出る細い弦に移動して音を出します。ただ1番弦はそれより細い弦に移ることが出来ませんから、バイオリンの胴の上で弦を抑えて高い音を出すことになります。こんな時曲によってやや低い音に移るときは、左腕を瞬時に大きく伸ばさなくてはなりません。手の動きが大きくなると、演奏スピードは下がるし指は正確に着地ができません。結局音程は不安定になり周りに迷惑をかけてしまいます。

 

 そこで最近、音の幅のある曲には2弦を使うことを心掛けています。「青春の光と影」の最後の部分、胴の上でソファを弾き続いてラまで下がります、続いてレに戻ることを3回繰り返す部分があります。今私は下がるラは今では2弦で弾くようにしています。こうすれば速度は落ちないし、指の形を保っていますから割合音が安定しています。あいみょんの「愛の花」の後半部分でレレミレーシ、シソソレドシドの部分では2弦のソを使うようにしています。音の飛ぶ曲はあまり出てきませんから、いつもすっと指が動きません。私には音が飛ぶ曲を弾くときは演奏前に予備練習、イメージトレーニングは必須です。でも2番弦を混ぜて弾けたときはつい「やった」と嬉しくなります。

 

 

指板の下半分の2番から4番弦の神秘的な部分、そこにもいっぱい音はあります。その音を自由に使って演奏する力はまだまだ有りません。私には絶対音感が有りませんから、解放弦を多用し、そこで毎回音の物差しを校正します。こんな私も未開拓の地を一歩(一指)ずつ探検してゆきましょう。

(2024,2末)

 

もっと小さく

 

  最近構想を練っていたバイオリンを試作してみました。そのバイオリンの狙いは、もっと「フットワークの良い小型のバイオリン」。軽バイオリンの始まりは「子供ひとり、バイオリン1本」、「リコーダーのように子供が1台ずつ持てるバイオリン」が願いでした。現在の軽バイオリンを20年作ってきて、更に改善したいのはその大きさです。軽バイオリンは基本的なバイオリンを参考に寸法を決めているのですが、子供達のリコーダーに比べると大き過ぎるのです。ランドセルを背負った小学生が、軽バイオリンを持って通学する姿を想像すると余りにかわいそう。

 

 これまでも数回小型のバイオリンを作ってきていますので、バイオリンの音を感じる大きさの限界みたいなのが頭にあります。今回はそれをもとに、幅100mm、厚さ30mm、長さは350mmとしました。普通バイオリンの胴のくびれは1番弦が弾けるように100mm程度になっていますのでこれを基にしています。また子供が手作りすることも想定し、組み立てが容易で材料が入手しやすい単純な箱型の胴にしました。

 

ネックや糸巻き部分は従来のものをそのまま使用しています。指板や駒も同じものが使えます。これまでの部品製作はすっかり定着してしまいました。学校バイオリンにはもう一つ大切なケースの問題があります。最初は弦、駒を守るハードカバーだけでいいのではと構想していたのですが、やはり全部を覆う箱型から抜け出せません。今回は取りあえずバイオリンに合わせダンボールで作り、手提げの紐が付けてあります。弓の長さもやや短めにして、大正琴、鍵盤ハーモニカのケースほどです。これで随分ハンドリングが快適になりました。

 

試作が終わり箱に入った新作バイオリンは工房とリビングを行ったり来たりしています。何回も試奏していますが、一般家庭のリビングで弾くには十分な声量です。ずいぶんスッキリしたフォルムのスマートなバイオリンはソファに置いても場所取らず、より身近に感じます。ただ、普通サイズの音色とは明らかに違いを感じます。またあご当てを胴のサイズに収めていますので、アゴと肩でバイオリンを挟むのにはやや不安を感じます。いつものようにスポンジの肩当てを付ければ改善できますが、大型にして取り外しできる構造を考えてもいいかなと思います。まだまだ改良は続きます。

(画像は活動記録に掲載)(2024.01)

 

 

ラブアンドピース2023

 

  また新しい年を迎えることが出来ました、ほんとみなさんに大感謝です。昨年、コロナとの戦いはwith coronaへ移行しマスクを外すことも多くなりました。しかし遠く地ではロシア、ウクライナの戦いは長期化し、加えてパレスチナ、イスラエルの新たな戦火が激しさを増しています。私達の生活は温暖化を実感、SDGsの浸透、AIの普及、物価の上昇、、、等激しく変化し続けています。個人的には、同世代の音楽家谷村新司、坂本龍一の両氏の訃報に大変なショックを受けました。でも小田和正さん、矢沢永吉さん、武田鉄矢さん、、、まだまだ頑張っている同世代も大勢います。

 

 昨年も沢山バイオリンで遊びました。ラブアンドピースは2人の新しいメンバーを迎え、年末にはバイオリン体験会を実施することも出来ました。久しぶりのにぎやかな笑い、沢山の人が初めてキラキラ星を弾きました。何人かは活動見学も希望し3年ぶりの盛況です。

 

昨年の選曲は依然に増し弾きごたえ有りました。デュオの楽譜を優先したのもそう感じさせたのだろう。風笛、彼方の光、愛の挨拶、瑠璃色の地球、家路、いい日旅立ち、海の見える街、You Raise Me Up,バイオリン1とバイオリン2の掛け合い、ハーモニーは大きな幸福感をもたらします。

 

 

愛しい人、パリは燃えているか、ラストエンペラー、スラブ舞曲、青春の光と影、River Flows in You、冷静と情熱の間、シルエットロマンス、心の瞳、ナカマ、ああ人生に涙あり、、私の強い希望やメンバーのリクエストにより沢山の曲を弾いてきました。全ての曲が決して満足のゆくものに仕上がっていませんが、弾いてる自分は大変満足しています。24年、もっともっと楽しい曲に出会いたいねー。(2023.12)

 

 

 

 

木で作る

 

木材は金属、プラスチックに比べ大変加工し易い材料です。大がかりな機械設備が無くても特殊な技術技能が無くても、欲しいという強い気持ちだけですぐに夢を実現できます。日本の70%は森林、木材は一番手に入りやすい材料私達は何千年も共に生活してきました。思いつくままに木の形を挙げてみましょう。

 

建築、家具―竪穴住居、掘っ建て小屋、ログハウス、板葺き屋根、塀、雨戸、柱、扉、障子、タンス、机、ベッド、ベンチ、仏壇

 

車両―大八車、幌馬車、木の自動車、木が内装の電車、山車、駕籠(かご)、トロッコ

 

飛行機、舟―木製飛行機モスキート、木製のプロペラ、丸木舟、ボート、大型帆船、筏(イカダ)

 

武器、玩具―木刀、鞘、楯、槍、弓、独楽、羽子板、将棋、剣玉

 

容器等―タライ、洗濯板、水桶(バケツ)、樽、風呂桶、鉢、茶箱、トロ箱

 

楽器―チェンバロ、琵琶、琴、馬頭琴、木のフルート、太鼓、風琴、拍子木

 

スポーツ、遊具-バット、ラケット、スキー、ゴルフクラブ、サーフィンボード、シーソー

 

食器など―お椀、箱膳、御櫃、弁当箱、盆、曲げわっぱ、杓文字、柄杓、臼、経木

 

工具―鋤鍬、唐箕、織機、槌、杵、臼、水車、火おこし、足場

 

事務器―算盤、鉛筆、木簡

 

履物―木靴、下駄、木製サンダル

 

家電―ラジオ、テレビ、ステレオ、炊飯器、冷蔵庫(氷使用)、コタツ

 

他―櫛、木馬道、橋、背負子(しょいこ)、ボタン、墓標、渠(キョ)、樋、木道

 

 

 こうして挙げてゆくと、木で作れない物はないって感じですね。耐久性やコストから、他の材料に変わった物も多いですが、今でも敢えて木を選択し使い続けている物もあります。肌ざわり、香り、軽さ、響き、暖かさ、木目のデザイン、解体処分、木に替わる材料は無いですね。(2023.11)

 

バイオリンごっこ

 

 「バイオリンごっこ」という言葉を、私は最近よく使います。それは早い話、バイオリンが木の玩具だからです。

藤井聡太さんの活躍で人気の将棋、紅白歌合戦で話題になった剣玉、そして今輪を広げている気軽なバイオリン(軽バイオリン)、どれもみな楽しい木の玩具です。時々このバイオリンのことを「本物のバイオリンと比べて、、」言う表現をされますが、そんな時「本格的バイオリンと比べて、、ですね!」とい意地悪な返答をします。

 

軽バイオリンは本格的バイオリンが奏でる曲では全て弾けます、弾けない曲は無いと思います。そして本格的高級バイオリンも含め全て木の玩具だと思っています。手に触れる家具の木の温かさ、裸足の肌に触れる床の柔らかさ、さわやかな木綿の下着の感触、私達は生まれた時から肌に触れる天然素材、木材のすばらしさを実感してきました。肌に触れる楽器の木の感触は、音性能の優れた性質より先に、人間の体と一体感を生みます。

 

 バイオリンは、日本ではまだまだ敷居の高い楽器だと思われています。3歳から始めないと、、、高価な楽器を親から与えられ、しかも体の成長に合わせ何台も、、。先生に付かなければ、漫画に出てくるようにギーギーという音しか出ないとか。親は音楽関係の仕事をされているとか。バイオリンを「演奏する」とか、またバイオリンを「習う」とか、こんな言葉のなかにも少し敷居の高さを感じてしまいます。

 

  私はこれまでのバイオリンのイメージを払拭して、もっと身近な玩具のように、触って遊んでもらえる事を願っています。普段の生活から遠いクラシックの曲を無理に弾かなくていい、好きなポジションで音を出していい、ボーイングのアップダウンを合わせる必要もない、ビブラートもかけなくて良い、もっともっと気楽にバイオリンと遊んでいいと思います。ただ独りでするより友達がいたほうが楽しいので、仲間は必要です。バイオリンは2人で弾くと2倍じゃなく10倍楽しくなります。(2023.10)

 

 

「こんにちは、母さん」

 

 先日のNHK、「プロのフェッショナル」で山田洋次監督を取り上げていました。取材は吉永小百合さん、大泉洋さんらの「こんにちは、母さん」、いつかプロモーションビデオをテレビで見たあの映画の撮影現場です。急にそのことを思い出し、番組の途中でしたが急ぎララポートの予定を見たら、今週中で終わってしまうではないですか。早速今朝、いつもの映画館に行って観てきました。2時間の映画の途中2回ほどジーンと胸が熱くなり、一度は目頭を押さえる瞬間もありました。

 

山田監督はもう90歳を超えていますが、まだ映画を撮り続けていてほんとに頭が下がります。少し先輩で、ずっと眩しい憧れの吉永さんももう78歳になるという。会社生活の時代は毎年「寅さん」を見るのが楽しみでした。山田監督からは「幸せの黄色いハナカチ」「遥かなる山の呼び声」「息子」「家族はつらいよ」「おとうと」「東京家族」「母とくらせば」、、どれだけ幸せな時間を頂いてきたのだろう、感謝、感謝です。

 

途中大泉さん演じる息子のセリフに大変感銘を受けた所が1か所ありました。が、、、メモしておきたいと思っても真っ暗な中ではどうしようもない、忘れないでおこうと念じていたが、、、やっぱり4時間くらい時が過ぎ、思い出せないままでいる、、、この損した気分をどうしよう。主人公のお母さんが、突然北海道に赴任することになった牧師さんを見送るとき、そっと牧師さんの手に自らの手を重ねました。お母さんのいじらしい振舞にジーンと来る熱い物がありました。愛おしい胸の高まりは歳に関係なく生きるものの特権です。

 

 

映画の舞台は東京下町の老人の家とその周辺、そして息子の勤める大企業の職場くらいで小さな世界です。小さな世界でも、日々いろんな事が起こります。そこに住む人の数だけ、そこに流れる時間の分だけ問題、悩み、喜びが有ります。そんななか映画を通して見えてくるのはひとつの方向です。おかあさんのボランティア活動、人事部長である息子の決断と選択、孫の家族に対する愛、いずれも温かい物です。空き缶を収集しても自立する老人の力強さ、老いた母の愛する素直な喜び、いつの時代も大切にしたい物がそこにあります。損得、勝ち負け、道徳、を超えた真の幸福があります.(2023.09)

 

スマホデビュー

 

 長い間スマホへの切り替えに抵抗していた私が今スマホを手にしている。そう、先週私は近くの携帯ショップでスマホを購入しました(10年遅い!)。とうとうスマホデビューです。世の中9割くらいの人はもうかなり先を走っているのに、私はやっとスタート地点に立ちました。手にした瞬間、やっぱり重い!そして大きい!カバンを持ち歩かない私にはこの大きさ、重量には納得がいかない。

 

何故時代に流されたかっていうと、市のワクチン予約、電子プレミアム商品券などがスマホを前提に計画されていること、お店や、医院の予約がスマホ前提なのです。ガラケーの軽量コンパクトという大きな魅力を諦めないと、ぼつぼつ生きにくさも感じる様になってきました。また時々サイフの小銭を数える時、後ろのお客やお店の人を待たせる不便さを感じ始めたからです。

 

夢中でスマホと遊ぶ1週間が過ぎました。電車の中で普通に見かける風景です。この時代、取説が全く付属しないので、アンドロイドの本を1冊買ってきました。興味に任せ、アプリも10個くらい入れました。バイオリン用のチューナー、メトロノーム、小型のピアノ、ボイスレコーダー、音楽スピードチェンジャー、歩数計、バーコードスキャナー、プリンターソフト、画像リサイズ、などなど演奏に役立つものが多くありました。早く使い慣れて仲間との話題にしてみたい。

 

熱い1週間が過ぎました。だんだんガラケーやパソコンとの違いが判って来ました。良い所は、上手くいけばこれ1台で携帯電話、カメラ、MP3プレヤー、ボイスレコダー、チューナー、メトロノーム、ナビ、情報入手ツール、サイフ、手帳などが不要になる、、、これで初めて安定したLINEが使えるようになる、しかも相手の顔を見ながら電話も出来る。流行りのペイペイもやり、納得もしました。スマホの不便な所、全く文字が打ちにくい、つい返信はスタンプに頼ってしまう。またカバン嫌いの私にはやっぱり大きくて重い。家にいることが多いし、僅かながら仕事も有るし、楽譜の製作もある、マウスとキーボードに触れるパソコンの時間はホットしています。

 

Loveの曲

 

ここ数年の間に弾いた曲名を見ていたら、「愛」「LOVE」を含む歌や曲がいっぱい有り驚きました。私達のバイオリングループの名は「LOVE & PEACE」、この名前をもう20年使ってきました。「愛」「LOVE」は誰しも人生の最大の目的ですから、それをテーマにした曲は数えきれません。

 

Can you feel the Love tonight  今、劇団四季が「ライオンキング」を公演していて、テーマ曲をテレビで聴くことも多いですね。実はこの曲、あるフィリピンのスラム街で少年達に音楽教える日本男性の紹介番組で知りました。厳しい環境の中で子供達に楽器を演奏する楽しさを教えてゆく、、、やさしくて、とっても温かい曲ですね。

 I can't help falling love with you ウクライナ出身のバイオリニスト、カロリーナプロチェンコの路上パーフォーマンスで知りました。彼女の弾くバイオリンはいつも跳ねています。自然に回りの人をもウクウキさせます。最近の歌は殆どダンス無しでは考えられないけど、バイオリンももっと楽しく体で表現していいのだと教えてくれます。この曲はかつてプレスリーが歌っていたそうです。

 

To love you more    映画タイタニックのMy heart will go on はバイオリンを始めたころ友達の結婚式で弾いた曲。この曲もセリーヌ・デュオンの曲で,後半の張り上げる声や高音への飛躍がとっても気持ち良いいですね。

Love is、、、、、 これに川村隆一さん、日本の曲。この曲を弾くと甘ったるいメロディーがしばらく耳から離れません。

I was born to love you  クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの曲です。映画ボヘミアンラプソディーが流行ったころ、この映画の曲とともに弾きした。映画を視なかったら多分、クイーンは多分私には他の星の人達だろう。

I love you  朝ドラ舞いあがれのテーマ曲でBackNumberが歌っています。歯切れの良いリズムで一日のスタートには持ってこいの曲。

 

横文字のLOVEを含む曲ばかりになってしまいましたが、愛の付く曲も沢山あります。あいみょんの愛の花(朝ドラ らんまんのテーマ曲)、愛のコンチェルト、愛のカタチ、愛が生まれた日、、、これからももっともっと愛の曲は増えてゆきそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイオリンの素

 

  先日のBBQに使ったピーマン2個が数日野菜室で出番を待っていました。追加のピーマンと豚肉、そして「チンジャオロースの素」を買って夜のおかずにしようと思いました。何時も行くマックスバリューの棚には数社の「素」が有りました。どれにしようか迷っているとき、「バイオリンの素」って有る訳ないよねえ、と変な想像をしていました。最近は料理の具材と調味料、レシピを含めた宅配のセットも出てまわっています、今やっているバイオリンのキットと同じです。

 

バイオリンは一番簡単な楽器ですがそれでも50位の部品が必要でちょっと複雑な料理です。バイオリンのキットには弓も付いている、あるメーカーのインスタント焼きそばに付属しているスープの素とおんなじです。数々ある料理の素には、一番大切なおいしさを作る調味料や香辛料の詳細は書かれていません。私のバイオリンの素も、胴体に接着するネックの角度、指番の構成材料、弓の重心位置、糸巻の孔径など製作、演奏の重要な部分は詳細が記述してありません。

 

バイオリンは楽器屋さんで買うものでバイオリンの素はスーパーに売っていません。バイオリンを自分で作るって発想する人はまずいないでしょう。バイオリン作りはドイツやイタリアへ行かなければ学べないものだと思っているし、材料もある国地方の木材で長期間枯らしたものを使い、専用の工具を揃え、数年修行して身に付けるものだと思っている。塗装には神秘的な成分の配合が必要、魂柱入れは繊細な音響の感覚が必要、などなど難しく、だんだん神がかって来る。

 

 

20年前私は木の工作のなかから、これまでと違うバイオリンを見つけました。その感動を伝えるためバイオリンの素を作り教室を続けています。私は小さい頃からモノ作りが好きで、「所さんの世田谷ベース」「お宅拝見」「ビフォーアフター」なんかよく見ます。所さんは物つくりが好きで音楽も好き、なんか似ているとこ有るかも、、。彼の言葉で「面倒くさいなかに幸せが有る」というのが大好きです。ピカピカで見栄えのするバイオリンを楽器屋さんで買ってくればいいのに、見栄えしない楽器を作って弾く、そんな面倒くさいこと、、、それが私の一番の幸せ。

 

 

繋がる

 

教室の会場に向かう電車の中です。8割~9割の人はスマートホンを見ています、みんな同じです。ぼつぼつガラケーからスマホにしなければと思ってる私も、いずれ同じ風景に溶け込んでいるだろうか、、、、。こんな朝の風景にも変化があります。みなさんの胸の前に、白いイヤホンケーブルが無いのです。殆どの方が補聴器のように耳にイヤホンを指しています。あーあ、またまた時代の波に乗れてない私です。

 

 そういえば、WiFiの導入は数年前でしたね。それまでは空色の硬いランケーブルを普通に使っていました。WiFiの導入で、今ではパソコンの周りがスッキリしました。昨年からプリンターもWiFi接続に変わりましたから、印刷時ケーブルを差し込む煩わしさから解放されました。最近ではスマホの充電もケーブルレスで行えるようです、所定の台に載せるだけで行えるとか、、、、。あつ、そうそう最近のテレビショッピングでは充電式の掃除機が目立ちます。先日はバッテリを持たないEVの記事も視ました、道路に埋め込んだ装置から非接触で車のモーターを回すそうです。

 

 私達はコロナと闘って来たこの3年間で、人と人との間隔を取るようになりました。祭りなどとかく人が集う事は中止してきました。学校はどんどんオンライン授業になりました。音楽ライブもリモートで。人は顔を隠し、グータッチか肘タッチで気持ちを伝えてきました。人と人の距離はすっかり遠くなってしまいましたね。でもやっと長すぎる暗いトンネルから今抜け出せそうです。

 

 昭和を生きてきた私にとって たとえば子供の頃夢中で作ったプラモデルのラジコンカーは仕組みが簡単で分かりやすく、安心感が有ります。日常生活の中ではほとんどの機器は線を繋ぎ、あるときは電力を、あるときは情報を伝達してきました。東北大震災のあと「繋がる」という言葉が象徴的に使われます。人と人の距離も大切です、SNSの繋がりだけでなく、、、、、、、体温を感じる様な距離の会話こそ大切なのではないでしょうか。ワイヤレスのイヤホンを落とす方が多いとか聞きます、、、、、WiFi,ブルートゥース、赤外線、FMでなく素朴なケーブル接続、プラグインにも魅力を感じる私は古い老人。

 

 

HP

 

今年はじめ、JImdoさんのサービスを利用させていただき、このホームページを模様替えしました。お蔭様で最初見た時の印象、全体の構成が大きく向上したように思います。この「楽器の森」のホームページは2000年にスタートし、私の手作りバイオリンの活動と共にもう20歳を超えました。よく続けられたものだと、趣旨を理解してくださるみなさんにほんとうに感謝致します。そして兎に角続けてきた自分に小さな拍手をしてみます。

 

80年代パソコンが出始めたころ、NECPC8001にすっかりはまりました。簡易言語Nベーシックで見栄えしない、ぎこちない動きのゲームを作り幼い子供たちと遊び、雑誌にも投稿していました。PC活用のひとつでホームページに興味をもち、2000年に1冊の入門書を参考に最初のホームページ「楽器の森」を作りました。当時はniftyでした。本にあるHTMLという言語を知り、数個の命令を駆使し何とか形にしました。最初のHPは画像や、リンクも貧しく文章中心でした。

 

10年くらい経てプロバイダーをKDDIに変更しそのサービスを利用し昨年まで続けてきました。最近はHPをほぼWORDで編集しHTML形式で保存し、FTPソフトを使ってサーバー(commufa)のfaileを更新してきました。WORDでは画像の追加、リンクも自由だが、文章作成用ですから水平方向の配置が難しく縦長になりがちでした。またメイン画面のカウンター関係だけはソースのHTML言語を直接書き直すという面倒な操作もありました。

 

 

今回Jimdoさんのホームページビルダーを使ってみて驚きました。メイン画面のデザインは既に見栄えのする物が用意されています。私は仮想の決められた“箱”に文字や画像を、自分のファイルからコピーして貼り付けてゆきます。画面上の文章、画像の位置は詳細に指定しなくても美しく配置されてゆきます。私はこの簡便さと美しさとFTPフリーに感動しました。これまでの苦労は何だったのだろう。ただ、手元にホームページのファイルが全く残らないので参照ファイルのだけは保存しながらゆっくりと更新を継続しようと思っています。

 

 

 

 

 

軽バイオリンと宮本笑里さん

 

 突然、チャルダーシュのリズミカルで華麗な演奏が始まりました。演奏しているのはあの宮本笑里さんです。演奏が止み、私の工房の様子、カルチャーセンターでの製作会の様子、インタビューと続きます。そしていよいよ彼女の演奏、緑の軽バイオリンで「星に願いを」弾いていただきました。エッ!これが軽バイオリンの音!。同じバイオリンを何人も弾いているのに、この音色を聞いたことが有りません。真に弘法筆を選ばず。しかも彼女は軽バイオリン用の弓まで使ってくれています。つい先日、彼女は林先生の番組で11億円のバイオリンを響かせていましたね。。

 

5月末、TBSテレビのディレクターさんから突然電話が有りました。数日後には磐田に来られ工房と近くの森でまた週末には静岡パルシェ校で1日講座を取材いただきました。その翌日、私は東京に2台のバイオリンを送り、2日後TBSNスタの中で笑里さんの生演奏とともに軽バイオリンの活動が紹介されました。残念ながら静岡SBSではこの放送が観られず、送っていただいたビデオでこの感動を体験することになりました。慌ただしく、ワクワクする1週間でした。

 

宮本さんを知ったのはもう10数年前だろうか本屋さんでした。それは初々しい美少女の写真集に出会ったこと。私がバイオリンと向かいはじて間もないころ、昼のNHK番組で笑里さんを含む「バニラムード」の演奏を何度か聴いたこと。浜松アクトシティーでコンサートを聴いたこと。そして「のだめカンタービレ」を観たこと。彼女は、ずーっと気になるバイオリニストでした。

 

番組の終わりに彼女は軽バイオリン、その活動についてコメントしてくれました。「弾いていても4000円とは思えないほどのちゃんとした美しい音色の音が出ている。」(褒めすぎ!)。そして「独学で作られたこと、皆さんが身近に手に取っていただけるキッカケを作ってもらえるのが嬉しい」と精一杯弾いていただいたうえに暖かい言葉をもいただきました。軽バイオリンを憧れのバイオリニストに弾いて頂いたことは、この10年の記念すべき到達点にもなりました。笑里さん、関係者の皆さん、ほんとうにありがとうございました。